「みなし残業」という言葉があるように、会社にはいまだに「残業して当たり前」という風潮が根強く残っています。実際のところ正社員において、過去20年間の労働時間の推移には変化がないと言われています。
しかし2019年の働き方改革をきっかけに、長時間労働が問題視されるようになりました。また残業ありきの労働環境は、言うまでもなく女性にとって社会進出の障壁となっています。
定時で帰れる会社に転職したい……。
この考え方は、今の時代むしろ大切なのではないでしょうか？そこで今回は、定時で帰る仕事を見つけるために3つの方法を紹介していきます。
定時で帰れる仕事を探す3つの方法
転職サイトと転職エージェントに登録
■転職サイトと転職エージェントとは■
転職サイトと転職エージェントは、求職活動の最も一般的な方法といえるでしょう。
転職サイトは登録することで、ネット上で企業の求人情報を見ることができます。また履歴書を登録しておけば、ワンクリックでエントリーや説明会への参加申し込みも可能です。
転職エージェントは、言うなれば転職をアドバイスする専門家です。電話やメールで申し込み、後日面談となります。そして適性に合った仕事の紹介から履歴書の添削、企業への面接日程の調整などを行なってくれます。
■メリット■
転職サイトの最大のメリットは、気軽に求職活動ができることでしょう。そして職種や勤務地、待遇などを細かく設定して企業を絞り込むこともできます。
例えば定時で帰りたい場合は、「就業時間8時～17時」にチェックを入れるだけです。またサイトによっては先輩社員の口コミも掲載されており、実際の職場の雰囲気をつかむことができます。
そして転職エージェントはこだわりを伝えることで、その環境に近い仕事を紹介してくれます。面談で定時帰りを希望すれば、優先して探してもらうこともできるでしょう。
■デメリット■
ただし転職サイトは、企業側が仲介会社に手数料を支払うことで掲載されています。つまり掲載されていない企業もありますし、公開されている情報だけではわからないことも多いでしょう。
また転職エージェントは転職サイトよりも非公開の求人情報を持っていると言われていますが、それでも条件に合った案件がないこともあります。その場合は「やりたいことにこだわるか」「定時帰りを優先させるか」と選択をせまられることになるでしょう。
口コミサイトで調べる
■口コミサイトとは■
口コミサイトは実際に勤務している従業員が、匿名で会社を評価しているサイトのことです。待遇や人間関係などを項目にして、点数制で評価するサイトもあります。
■メリット■
職場選びにおいて、実際に働いていた人の声を聞けることは大きなメリットです。例えば表記されていない残業の有無など、求人情報や会社のHPなどを見てもわからない裏事情を得ることができる可能性もあります。
■デメリット■
しかし口コミサイトは、あくまで主観的な情報であることに注意しなければなりません。会社に不満を持つ人のカキコミが多いため、どうしても悪い情報にかたよると言われています。
また会社の評判を下げることを目的に悪意を持って投稿する人や、同じ会社を志願するライバルを減らすためにウソの情報を流す人もいます。ネットモラルのない利用者もいることを念頭に置いて、上手に利用しなければなりません。
紹介予定派遣で働いてみる
■紹介予定派遣とは■
定時で働く環境を探しているのなら、紹介予定派遣会社に登録することも1つの方法です。
派遣社員になるためには、まずは派遣会社に登録して書類選考を受けます。そして求職者と求人企業の条件がマッチしたところで、派遣となります。
紹介予定派遣は、正社員や契約社員になることを前提としています。求職者と企業の相性を見るための、いわば「試用期間」といえます。
■メリット■
派遣社員は、一般的に残業することはないと言われています。派遣は、自分のライフスタイルに合わせて仕事することを目的とした雇用形態だからです。
そして派遣社員の帰属先は、あくまで派遣会社です。派遣会社との契約に基づいて働いているため、求人企業の事情で残業を強制させることは違法に当たります。
■デメリット■
派遣として働くと定時は守られますが、一方で責任のある仕事は任されないと言われています。バリバリ働きたいという方は、物足りなさを感じるかもしれません。
また実際に正社員として働くことができれば、1番の近道であることは言うまでもありません。紹介予定派遣の雇用期間は6ヶ月。すぐに正社員で働きたいという方にとっては遠回りに思えるかもしれません。
しかし紹介予定派遣は、直接雇用が前提にあります。求職者と求人企業、双方が同意すれば正社員や契約社員になれる可能性もあります。
定時で帰れる仕事を探した体験談
転職サイト、転職エージェントの体験談
・転職サイト「リクナビ」を利用したことがあります。掲載料が高額なためか大企業が多く、迷惑メールが少ないので信頼できました。
・転職サイト「デューダ」がおすすめです。応募前に企業に質問を送ることができるので、選考結果の感触をあらかじめつかめます。
・「リクルートエージェント」を利用し、転職に成功しました。エージェントと面談して適性の仕事を紹介してもらうことから始まり、面接の日程調整までしてもらえました。
・複数のサイトやエージェントに登録することが大切です。いろいろな会社を知るための、きっかけ作りとして利用しましょう。
口コミサイトの体験談
・「Vorkers」や「転職会議」をよく閲覧していました。あくまで雰囲気を見るためとして、あまり重視はしていません。ただし評判が悪すぎる会社には要注意です。
・口コミサイトに投稿するような人は、会社に不満を持っていることがほとんどです。そのため悪い意見が多くなりがちです。逆に投稿が少ないということは、会社に不満を持っている人が少ないとも考えられます。
・人間関係や職場の雰囲気などは、主観に関わるのであまり重視しません。しかし有給取得日数や残業時間など、具体的な数値がデータとして現れているものは参考になります。
紹介予定派遣の体験談
・大手の派遣会社ほど福利厚生が充実し、案件も豊富にあります。具体的には「パソナ」「テンプスタッフ」「アデコ」「マンパワー」です。特に「パソナ」は時給相場がいいと言われています。
・「リクルートスタッフィング」を利用しました。登録するとネット上のマイページに、仕事紹介メールが送られてきます。そこから希望する仕事にエントリーし、社内選考に通れば連絡がくるという仕組みでした。
・早く就業したい方には、複数の会社に登録することもおすすめします。派遣会社によって、待遇などの情報も変わってきます。ただしもし複数の内定が取れてしまった場合は、就業先について悩むことになります。
定時で帰れる仕事を探すには3つの方法をうまく利用しよう
定時で帰ることのできる転職先の探し方について、まとめてみましょう。
まずはいろいろな転職サイト、転職エージェントに登録します。企業を多く知り、比較研究していくことは転職活動においてとても重要なことです。
気になる企業を見つけたら、口コミサイトなどを活用して情報を集めます。ただし口コミを鵜呑みにしすぎることは禁物です。自分にとって必要な情報、信憑性が高いと思われる情報だけを拾っていきましょう。
最後に。定時で帰れる企業が見つからない場合は、紹介予定派遣として働くこともおすすめです。実際に働いて職場環境を知れることは、アドバンテージにほかなりません。
やりたい仕事と定時で帰れること。両立できる後悔のない転職活動を始めてみませんか？